EQ・SEL 専門家の三森朋宏さんが「感情や気持ちを打ち明けることの大切さ」について解説します。
家族の事情を話すのはハードルが高い
家庭で起きている不穏なことや、両親の不和、ケアを必要とする家族に対する感情面のサポートなどをしていることを、友達や先輩、後輩、先生に話すことは、ハードルが高いと思ってしまうことがあります。それは、その話を聴く相手にとって家族の事や自分のことをネガティブに捉えられてしまうのではないかという不安があるからです。
感情を抑えれば淡々と話せる
感情を抑えれば淡々と客観的に「何が起きているのか」という出来事を話すことはできるのですが、それでは自分の心の奥底にくすぶっている複雑な感情を隠したり、抑え込んだりしてしまうことになってしまいます。
ネガティブな感情は何を教えているの?
日常生活の中で、私たちは様々な感情や気持ちを抱きます。 時にそれは「喜び」や「楽しさ」といったポジティブな感情であることもあれば、「不安」や「恐れ」といったネガティブな感情であることもあります。
ネガティブな感情は、時に私たちを臆病にさせ行動できなくさせてしまうこともあります。また、私たちにとって大切な情報でもあります。
例えば、不安は、私たちにとって望まないことが起きるかもしれないということを教えてくれるサインです。不安を持つことは悪いことではないのです。
ネガティブな感情を隠したり抑え込むこのとの影響
不安や恐れなどのネガティブな感情は、体をストレス状態にします。そのため、強いストレスを長時間感じ続けていると、体調不良や自律神経の不調を引き起こしたり、脳の発育や修復に悪影響を与えてしまう可能性もあります。
自分の感情や気持ちを打ち明ける効果
そこで重要なのが、 自分の感情や気持ちを打ち明けて、誰かと共有することです。
自分の感情を言葉にする、つまり感情にラベリングすることによって、感情の状態が穏やかになる効果があります。
また、不安や恐れ、緊張などネガティブな感情を口に出すことで、ストレス状態を穏やかにする効果もあります。
こころのケア
また、誰かに気持ちを打ち明けることは、自分の心のケアに繋がります。
不安や心配は、大きくなってしまう前に、信頼できる人や同じ境遇の人に話すようにしましょう。あなたが抱えている不安や心配が大きくなるとその感情に支配されて打ち明けることがさらに難しくなってしまいます。
周りに話せる人が見つからない場合は、紙に書き出すことも有効です。自分の感情や気持ちを何かに書いたり、誰かに話すことによって、気持ちが楽になる効果があります。
ポジティブな感情を口に出す
ポジティブな感情を口に出すことも大切です。 たとえば、相手に対する感謝の気持ちはポジティブな感情の一つです。
感謝の気持ちを伝える「ありがとう」を多く使う人は、そうでない人に比べて脳や身体的な見た目が若い傾向にあるという研究結果があります。最初は照れてしまうかもしれませんが、日常生活のあらゆる場面で「ありがとう」という習慣をつけてみましょう。自然に「ありがとう」と言えるようになります。
このように感情や気持ちを打ち明けることは、心身の健康、そしてより良い人間関係を築く上でも非常に大切です。 ぜひ、今日からでも自分の気持ちを誰かに伝えてみて下さい。
※EQとはEmotional Intelligence Quotientの略称で、自分や周囲の人達の感情を察知してうまく扱う能力のことです。「心の知能指数」とも呼ばれています。
※SELとは、Social Emotional Learningの略称で、「社会性と情動の学び」と言います。
対人能力や共感力、自己理解や感情制御血かrを育てるための学習や体験を行うプログラムのことをSELと言います。
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執筆者
株式会社THdesign
代表取締役 EQ・SEL専門家
三森 朋宏
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